パリ1日目
10月24日 朝6時半
パリ、シャルル・ド・ゴールド空港到着。
夜明けすぐのパリの空はピンク色で、
日本ではカーディガンを羽織り始めたところだというのに、
吐く息がもう白かった。
Uberで、妹のアパートまで向かう。
英語は通じないし、話すと嫌がられると聞いていたのでフランスに行く事にびくついていたが、予想よりはるかにフレンドリーで英語も通じるので、拍子抜け。
アルジェリア出身のお兄さんが運転する車は、
パリっぽくなっていく町並みをぐんぐん抜けて、
石畳の道路の突き当たりにある私の妹、あゆのアパートに到着。
エレベーターのない古い木造のツルツルした階段を上がった、4階にある一室があゆの暮らす部屋。
服飾の大学に留学する妹の部屋は、大きなミシンやアイロン台、課題を作るための生地で溢れ、きっとたくさんの壁を越えようともがきながら毎日過ごしてるんだろうな、と感じました。
私も四年半アメリカにいて、妹とは年に1回会うだけの生活を過ごしていたから、
姉妹というか、良い意味でたまに会う友達 みたいな関係の私たちなのです。
朝ご飯の時間なので、買い出しに近所へ。
牛乳が白い容器に入って常温でまるで洗剤のように売られていることにびっくり。
スーパーでイチジクのクリームチーズとヨーグルト、マンゴー、パンプキンスープを買って、帰り道のベイカリーで焼きたてのフランスパンをひとつ購入。
フランスパンは1ユーロ(100円くらい)ですごく大きくて、中がもちもちで、イチジクのクリームチーズとすごく合って、美味しかった。
少し外に出るだけでとても寒くて、持って来た服が完全に使えない事が判明したので
とりあえず電車でマレ地区まで行って、古着屋巡り。
駅に降りてすぐ、メリーゴーランドがある。
あゆ曰く「パリは子供に甘い」らしい
古着巡り一店目は、一階と地下いっぱいに服が並べられ、
狭くて雑多なお店感じのお店『Frep Star』。
そこでは茶色のチェックのオーバーサイズジャケットとランバンの赤いウールのセーターをゲット!
両方一着10ユーロ(1000円くらい)!安い!
二店目は、量り売りシステムの古着屋、『Kilo SHop』へ。
広いスペースの店内たっぷりに古着がディスプレイされ、
様々なスタイルのおしゃれな男女がその場で気に入った服を試着する。
(試着室入らないのがパリスタイルらしい)
スカーフや帽子、服のバランス、靴下までにこだわりが隠れるパリのオシャレさんたちの興奮に満ちた店内は、活気で溢れていた。
そこで私はチェックのスカート、妹はビンテージっぽい毛皮の帽子を購入。
次は妹が授業で使う毛糸と生地を買いに、生地屋街のあるモンマントルへ。
(帽子は買ってすぐかぶる派)
地下鉄の駅の近くに細かい像がたくさん付いた、華やかな図書館があった。
こんなロマンティックな図書館で本を読んだら、自分の心を越えた異世界に旅できそう。
地下鉄を降りて生地屋街の坂を下ると、妹がいつも授業や課題で使う布を買いにいく生地屋さんに到着。
妹曰く、パリの生地屋さんの生地はデザインが新しいらしい。
妹がニューヨークに来たときもマンハッタンの生地街で生地を一緒に買いに行って、
日本にないデザインの生地をたくさん買って帰ってたけど、
ニューヨークの生地屋はパリと違って、古いのも新しいのも混在しているから、探すのが大変だったって。
(それってあらゆるアメリカの物事に言えるよなぁ)
日本の生地屋さんは話にならないほどダサい生地しか売ってないので、日本では生地工場に問い合わせて、欲しいものをオーダーメイドするらしい。
「こんな可愛くて新しいデザインの生地がたくさんあるだけでもパリに来た価値はあった」と目を輝かす妹は イキイキしていました。
伝統を大切にしてる芸術の都市パリには、良いものを作りたい!
感動したい!気分良くなりたい!っていう熱気が街の中に充満していて、
それはチェーン店が増え、マスマーケティングの手のひらでどう転がすかが勝負の
今の世の中には、とても価値のある想いだと思う。
(とか言って私は1月から広告で働きます。ビバマスマーケティング!!)
子供服も本当にかわいい!ワクワクすることがパリで学べるなんてステキ!
生地街は、映画『アメリ』の舞台にも待った、モンマントルの丘の目の前。
映画に出て来るメリーゴーランドや広場を抜け、
丘を登ると寺院へ辿り着き、パリの街を一望できる。
「現実ではなく、想像の世界の中で生きるアメリが恋をして現実で幸せを見つける」といった内容の『アメリ』なんだけど、
実際のモンマントルの公園やカフェは、映画と同じ時間の流れ方だった。
実際のアメリの撮影で使われたカフェ、カフェ・デ・ドゥ・ムーラン。
アメリのカフェは、映画に出て来たタバココーナーはなかったけど、
映画でおじさんがいつも食べてたクリームブリュレは名物メニューとして健在。
クリームブリュレは上を焦がすとスケートリンクのように硬くなり、
スプーンでサクサク割りながら食べると、美味しさも楽しさも倍増!
カプチーノの泡もこの通り!
可愛い男性店員さんの話す、聞き慣れないフランス語がとても心地良かった。
パリは建物が低くて空が広いから、川や木々などの自然と建物が
とてもナチュラルに一つの空間に存在していた。
そんな街の様々な感情を飲み込んで、セーヌ川はキラキラうねる。
カプチーノの泡は大きく尖らした方が可愛いからそうする。
店の外にテーブルとイスを出して、タバコを吸いながらお酒を飲むと気持ちいいから、少し寒くても外の席を選ぶ。
図書館にもたくさん像が壁に飾られていた方が、ゴージャスでロマンティックだからたくさん装飾を付けよう。
楽しさ、ウキウキ、ロマンティック、かわいい。
そんな胸の高まりを「感じる」ことに、重きが置かれている街。
人生を感じ、楽しむための知恵がパリには詰まっている気がする。