劣化するオッサン社会の処方箋

2019年一発目。

前回の投稿からなんと半年。

その間に、東京の国内向け広告制作部署に異動し、ようやくプロのコピーライターになるための修行ができる環境に身を置けることになりました。

 

上司はみんなコピーにプライドを持つ、プロのコピーライター。

本をオタクのように読みあさり、

どの作品が今年の芥川賞を取るかワクワクし、自分の文章に陶酔する。

なんとも私得な部署に無事異動できました。

 

そんな部署の先輩にもらったおもしろい本をご紹介。

 

 

『劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか」

(オッサン社員には表紙を隠しながら読みました)

www.amazon.co.jp

 

やる気も体力もある若い働き手に阻む大きな壁。

それが、「自分が絶対的正義!」のオッサンたち。

 

大企業であればあるほど、その弊害は凄まじく、

ピチピチ新人の原石たちは永く報われない社会人生活の中でどんどん自信と気力を失くし、

ついには「もうここで黙って時が経つのを待とう」、とキラキラ人生を諦めてしまうのである。

 

「まあでもさ、どうせ結婚して子供育てたら、あっという間に定年っしょ。平和に死ねれば、それで万々歳じゃん?」

 

なんて言えたのは、遠いバブルの昔、

そう、この本で書かれている「オッサン」たちの時代まで。

人生100年時代を生きねばならぬ我々には、残念ながらそんな平穏な未来は待っていないのです。

 

これまでのオーソドックスなオトナように、

「60歳で定年退職し、60歳からはご隠居生活。家庭菜園で作ったバジル、今年は豊作よ!」

なんて気楽な生活は送れないのが、我々の時代の「オッサン」。

 

人生100年時代の私たちには、60を過ぎた後、余命があと40年もある。

享年40歳のジョンレノンが、生まれてバンドを組み、世界中の人たちを熱狂させてしまうほどたっぷりの時間があるのだ。

 

そんな中、老いたからと言って庭でバジルだけ育てるのは、なんだかもったいない気がする。

 

実際40年生きるとなれば、稼がなければ食いっぱぐれてしまうし、年金もあてにならない。

 

これまでのシニアと違う生き方をせざるを得なくなる我々は、どういうスタンスで生きるべきなのか?

 

この本の筆者によると、「人生100年時代」は、4つのステージに分けられる。

第一ステージ(0歳~25歳):基礎学力を身につける時期。

第二ステージ(25~50歳):経験を積み、自分の能力や興味を理解する時期。

第三ステージ(50~75歳):それまで培ってきたものを世の中に還元する時期。

第四ステージ:(75歳~100歳):自由な余生。

 

一目瞭然だが、注力すべきは第二ステージ。

充実したオッサン時代(第三ステージ)、そして老後(第四ステージ)を過ごすためには、第二ステージで精一杯闘い続け、「自分」を深く理解していく必要があるそう。

 

若い第二ステージの間に、

『なにが自分にとって美しく、どうやって自分は闘わなければならないのか』

を確立すると、第三ステージでは、きちんと需要のある存在になれる。というわけだ。

 

たくさん挑戦し、たくさん失敗して、負ける技術を磨く。

面白いことに貪欲にかじりつき、必要な時には、柔軟に逃げる勇気を持つ。

 

そんな武器を、これからの私たちは磨かなければいけない。

 

毎日サムイサムイと愚痴りながら、

家でアイドルばっかり見て幸せを感じ、

仕事はまあじっくりゆっくり、失敗だけしないように着実にやっていこう。

と戦闘モードゼロだった最近のわたくしですが、

自分の人生を100年という鳥観図で見ることで、このままじゃいかん!

需要の高いオトナになるためにも、いまから着実に、志高くコツコツ挑戦と失敗を繰り返していかないと!

と腰に火が付くいい機会になりました。

 

明るい未来のために一生懸命生きたくなる、そんなガソリンのような本と共に始まった2019年。

今年は攻めの姿勢で頑張りたいと思います。